差別に対して差別で対抗してもいいの?

また、しばき隊の大きな問題点の一つに、在特会にカウンターするにあたり差別発言をもってして在特会を攻撃している点がある。在特会に対しては、在特会の行っている差別や暴力に対して批判し、止めるべきであるのに、在特会側の人間の容姿等で差別したり、他の被差別者を傷つける言動などをしている。特にひどいのが以下の二つのツイートで

 

いいえ。レイシストは死ぬべきだと言ってるんです。レイシストは知恵遅れでありキチガイであり犯罪者なのでなんだったらいますぐ死ねと言ってるんです。 RT @sikorian: @noiehoie てか 動画見ろよwww 嫌なものには蓋をすると 言ってるようにしか感じれないわwww』(https://twitter.com/noiehoie/status/331682296019161089

 

noiehoie氏の上述のツイートに対して野間氏は、

 

@noiehoie 私も「知恵遅れ」はダメだと思います。知恵遅れの人はあんなアホみたいなデモやらない。 @stabitchie』(https://twitter.com/kdxn/status/319408614693552128

 

と述べている。ただただ悪である。野間氏は「知恵遅れ」(こんな言葉を使いたくないが・・・)という言葉を用いることを批判しているわけではなく、レイシスト≠「知恵遅れ」を主張しているだけであり、まずはnoiehoie氏が徹底的に批判されるべきではあるが、野間氏自身、noiehoie氏の「レイシストは知恵遅れでありキチガイであり犯罪者なのでなんだったらいますぐ死ねと言ってるんです」を批判するどころか、「キチガイ」や「犯罪者」はいますぐ死ぬべき、ということについては否定していない。そして、しばき隊の現場においても野間氏の作成した「ヘイト豚死ね」といった横断幕も掲げている(https://twitter.com/kdxn/status/333504885825875968)。

 

 在特会民族差別に対してカウンターすること自体を否定するわけではないし、実際に被害が出ている状況では必要なことである。しかし、そのカウンターにおいてカウンター側が差別発言をしないことが必要なのである。しばき隊の参加者はいうだろう、「差別はしていない」と。しかし「知恵遅れ」や「ヘイト豚」を彼らは彼らの対峙する敵、すなわち「レイシスト」に向かって投げつけているわけであるが、そこではもちろん「知恵遅れ」や「豚」といった言葉にネガティブな意味や、侮蔑の意味が付与されている。つまりこれらの表現では、発話者(今回で言えば野間氏やnoiehoie氏の)の意図がどうであれ、『「知的障害者」は「健常者」よりも「知恵」の「遅れ」た「劣った」存在である』、『「健常者」と比べて「気の狂って」いる「キチガイ」』、『「理想とされる」体型よりも外れるていること』はネガティブに評されるべきという社会規範を強化することになり、それは全ての他者に対して抑圧的になり、それこそが差別なのである。さらに、noiehoie氏は何度も指摘しているように『「知恵遅れ」「キチガイ」「犯罪者」は今すぐ死ね』と言っている。それと在特会のいう「朝鮮人は死ね」は何が違うのか。にもかかわらず、いくらそれを指摘されても省みることなくそのような差別発言を続けるのであるならば、しばき隊は在特会を妨害すると言いながら、在特会と一緒に街中で差別合戦しているとみられても仕方ないのではないのだろうか。