ごきげんよう、レの八部音符です。
今回はコトコトの活動報告というのとは違うのですが、私が有志(といっても私の他には一人ですが)と企画したデモにコトコトとしても月1回の街頭行動(12月はしませんでしたが)に代えて参加したということもあり、何をしてどうだったのか報告というか感想を書いておきます。
デモは<自由と人権は「国民」の占有物ではないと考えるひとびとによる秘密保護法反対デモin京都>と銘打って12月27日(金)の晩、1月11日(土)、12日(日)の午後の計三回行いました(今後については未定です)。趣旨については記事の最後に掲載しています。既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、現在までのところコトコトではデモや座り込みといった街頭行動については事前には一般宣伝をせずに細々とやっています。その理由についてはここでは省くとして、今回のデモについては、私自身が秘密保護法反対の運動の現場で「国民」のことしか考えていないようなスローガンやシュプレヒコールを聞くのが苦痛であり、それこそ参加の「敷居が高い」なぁ、嫌だなぁなんて思っていたことから、きっと他にも同じようなひとがいるに違いないと思ったのと、情宣を通して問題意識をできるだけ浸透させたいと思い、事前に一般告知し呼びかけました。
1回目では紙ビラも作りおもに京都の集会で、多分50枚くらいでしょうか、配りました。あとはデモの宣伝用にTwitterアカウント(@kokuminyamero)を作り告知しました。その結果(?)各回10~15人くらい参加頂いたように思います(数に拘ってないのでまじめにカウントしてないです)。
デモでは以下のスピーチ、シュプレヒコールをあげました。
○○通りをご通行中の皆さん。私たちは特定秘密保護法に反対するモノたちです。この特定秘密保護法は戦前の治安維持法や軍機保護法にもたとえられるような、日本が戦争する体制をいっそう整え、反対する市民の監視、弾圧を図る軍事立法であるという性質をもった非常に危険な法律です。国内外でも根強い反対の声がありながら与党は数の暴力をもって強行採決によって可決させてしまいました。この法律の目的ともされる「国家の安全保障」の必要性を説くために、日本政府は中国や朝鮮を仮想敵国としてありもしない脅威を煽ってきました。そしてその犠牲としていつも真っ先に沖縄があり続け、また国内の中国人、朝鮮人をはじめとした外国人の居住者に対する偏見や差別は増長する一方です。そして、今、ここ京都でも京丹後市にXバンドレーダーを配備し米軍基地ができると言われています。国籍や性別、障害の有無などを問われることなく誰にとっても平和であり自由であれる社会を目指すためにも、その対極である戦争へと導くこの特定秘密保護法を施行させることなく廃止させるよう抗議を続けます。みなさんも抗議しましょう。
(↑すぴーち)
秘密保護法いらない! 秘密保護法廃止! 秘密保護法施行させないぞ! 抗議の意志で靴を投げたひとへの起訴を撤回しろ!いますぐ解放しろ! 弾圧やめろ! 弾圧するな! 安全保障会議いらない!ひとの生活こそを保障しろ!反中国、反朝鮮キャンペーンやめろ! 外国人を差別するな! 誰に対しても差別するな! Xバンドレーダーいらない!どこにも基地はいらない! 自衛隊いらない!
(↑しゅぷれひこーる)
また、一回目のデモではグラデーションのきいた横断幕(紙製)を掲げましたが、その日の雨のためデモを終了時にはボロボロになりました。二回目の連日デモではエリンギを筆代わりにして書いた珍奇な色使いをした横断幕を掲げました。エリンギを筆代わりにしたのは近所の百円均一に筆が売ってなかったからです。なお、企画こそは私と有志の二人でしたが、一回目に使った横断幕の作成にはコトコトのメンバーのひとりに協力を仰いで書いてもらいました。
↑だいいっかいだんまく
↑えりんぎだんまく
また、今回のスピーチやシュプレヒコールをあげるのに使った拡声器も知人に借りました。救援対策として詳しい知人に弁護士を紹介してもらい仮に当日逮捕者が出た場合は接見にいってもらうよう頼んでおきました。プラカードなども参加者には持参して頂くか、スケッチブックとマジックペンくらい用意しておくというくらいには不親切であったので、お金はあまりかけていません。紙ビラの印刷に1000円(公共施設だと安くできるとことかあります)くらい、横断幕(2枚分)にかかったお金は紙代100円(百円均一の模造紙4枚セット)に筆代100円(1回きりでどっか行っちゃった・・・)、絵の具代(水彩)100円、エリンギ代100円の計400円ですね(ほんとは布でやりたいんですけど、金が出来たら布でもやってみようかなって感じです)。後はせいぜいデモの申請
のために警察署に行くのにかかる交通費くらいですね(自治体によってはデモ申請において道路使用許可書の提出に印紙代2000円~2500円程度がかかるところもあるかもしれません。この辺は今調べているとこです)。
京都市は(悪しき)公安条例に基づいてデモの申請をすることになりますが(道路使用許可書は出しません)、いつまでにというのはデモ予定の72時間前までであり、いつからというのは「ない」です。コースについて「お願い」を警察(警備課)がしてくることが多分にありますが、これは不当な介入です。公安条例に基づくデモ申において警察署は単なる窓口ですからこちらが書いたものを出すだけが仕事ですので。デモの申請はデモ出発地の所轄の警察署です。わざわざアポイントなんてとってやらずに行きましょう。
二人での企画になると当日の心配事のほうが少しはあります。数は気にしないと言いつつも、一般宣伝なので仮に1000人きたら・・・と正直びびってしまい、たった二人なのにこれ大丈夫かしらなんて不安になると思います(笑)。あと借りたスピーカーは重いので喋る人とは別に持ってくれるひとが必要だし、他にも横断幕持つのに最低二人は必要で、また警察が妙なことをしたときに備えて動画を記録する担当も必要だし・・・となると当日にそういう協力をしてくれるひとを一応事前には捕まえておく必要があります。なので横断幕は余裕があれば掲げるということで、他のバイタルなところを何とか、というふうに当日のスタッフ的に協力者数名の確保はやっぱ要るなと思います。逆にそれくらいでデモはたいしてお金を賭けずに出来るので、どんどんやりましょう。
<趣旨>
特定秘密保護法が12月6日に参議院本会でも強行採決をもって可決し、成立してしまいました。
この法案が通ったことで施行後の政府による一層の情報統制、プライバシー侵害、市民運動への 制限および弾圧、逮捕・起訴されても何が「特定秘密」に当たったのか明らかになる保障もなく適 正な裁判が困難になることなどが既に予見されています。この特定秘密保護法は国家安全保障 会議(日本版 NSC)の創立を一体として、行政機関への情報集中を図り、戦争するための国家体 制を作るためのものとして、戦前の内外国人を弾圧した「治安維持法」や「軍機保護法」の再来とも 呼ばれています。このような危険な法律であるにも関わらず、いや、このように危険な法律であるからこそ、与党は 数の力をもって強行採決という暴挙を働いたのでありましょう。国会を通過しようがこのような弾圧 法、軍事立法は私たちの抗議によって廃止に追い込まなければならないと考えます。そしてこの法案を可決させてはならないと反対するひとびとの怒りは、この短い間に大きな運動となっています。石破自民党幹事長が「デモはテロ」と脅しをかけたり、強行採決に対する抗議者を 逮捕するなどの弾圧を働いたことは、まさにこの間の運動が権力にとって無視できない脅威へと成 長したことの証左でもあると思います。しかし抗議の声が大きくなる一方でそれが日本国民主義を強化させてしまっていることに対して 私たちは危惧をもたざるを得ません。「国民の声を聞け」「国民主権の根底を覆す」「国民の知る権 利を守れ」「国民の目、耳、口をふさぐ」・・・どこもかしこも「国民」という言葉が連呼され、「国民」が 大事にされないことを怒っているようです。「国民」は排除を伴う言葉です。一般に現行憲法は戦前の天皇制ファシズムの反省から誕生し、その三大原則を国民主権、基本的人権の尊重、平和主義であると理解されています。しかし、現 行憲法が制定される過程においてこの「国民」という言葉がまさに国民ならざる者の基本的人権を 制限するために選ばれた言葉であることを今一度認識する必要があると考えます。日本国憲法制 定過程において GHQ 草案に含まれていた人種や国籍による差別を明白に禁止する文言を取り 入れず「the people」を意図的に「国民」と翻訳した上で、この憲法が発布される前日の1947年5月 2日、天皇の最後の「勅令」として「外国人登録令」によって、それまで植民地化によって日本国民とされてきた朝鮮人、中国人(台湾人)を「外国人とみなす」と一方的に国籍を剥奪したことからもその意図は明白であり、第一条の天皇規定と並んで、明治憲法から地続きに、天皇制の呪いによって現行憲法が支配されていることを示しているといっても過言ではありません。この社会における自由、平等、人権が「国民」によって占有されることに私たちは反対します。「国民」にとっての「平和」が国民ならざる者への収奪と暴力によって保障されるような社会を拒絶していかなければなりません。 国家安全保障会議と一体となって戦争をするための体制を整えんとし、体制に歯向かう者への 弾圧を強化するための特定秘密保護法に対して、「国家」の「安全保障」のために「国民」が犠牲にされることに反対するという「国家主義」対「国民主義」のままでは、「国家の安全」と「国民の安 全」の一体化を図るためのプロパガンダに騙され、手を結び、ファシズムはより深刻化するでしょう。「国家」の「安全」を脅かすものとして日本は中国、朝鮮を「仮想敵」として最大限に利用し「脅威」を創作し続けており、そのことによる国内の中国人、朝鮮人をはじめとした外国人に対する人権侵 害は(その不在によってではなくその過剰さによってまるで空気と一体となるように)気付きもされないほど日常の風景として溶け込んでしまっています。非「国民」にとって弾圧、人権侵害はずっと 前から始まっており、その日常に「平和」は存在していなかったことを知る必要があります。 特定秘密保護法に対して根底から闘って廃止を勝ち取るためにも、私たちはそれを「国民」の権 利に根ざした闘いにしてはならないと考え、ここに今回の示威行動を呼びかけます。
自由と人権は「国民」の占有物ではないと考えるひとびと